滋賀民主医療機関連合会

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民医連で働いてみた

高齢社会を迎え、自宅から通院出来ない患者さん、複数の診療科を回り、それだけで体力が消耗していく患者さんが増えています。私たちはそのような患者さんの受療権を守るため、訪問診療に力を入れています。
病院の専門医には病院の専門医としての役割がありますが、家庭医には家庭医としての専門性があり、大病院の専門治療と同じくらいに大切な存在と考えています。家庭医療では、バイタルだけでなく、家族との関係、介護との連携が重要です。また、民医連の家庭医は患者さんとの関係だけでなく、患者さんがよりよく健康で暮らせるために地域のまちづくりにも関わっています。

滋賀民医連で学べば
地域医療につよくなる。
医師・こうせい駅前診療所 副所長

西澤 寛貴

NISHIZAWA HIROKI

PROFILE
2014年滋賀医大卒。34期生。京都民医連中央病院で研修。京都協立病院、上京診療所でも研修。2020年からこびらい生協診療所副所長。
滋賀民医連で働くことの魅力

私は滋賀県彦根市出身で滋賀医科大学を2014年に卒業しました。卒後は京都民医連中央病院で初期研修を2年、京都民医連で家庭医療・総合診療の後期研修を3年行い、2019年から滋賀民医連で働いています。滋賀民医連では在宅専門医の研修も行い、外来や訪問診療(往診)中心に診療しています。

私は主に栗東市のこびらい生協診療所で副所長として働いています。外来や訪問診療では非常勤の先生にも関わっていただています。所長の金城先生と2人体制で、夜間・休日の在宅の患者さんの対応を行っていますが、訪問看護も利用されている方が多く、夜間・休日の臨時訪問はそれほど多くはありません。プライベートでは妻と息子の3人で暮らしです。私の実家も妻の実家も車で1時間程度離れており、普段は両親の援助は受けにくい状況です。半日や1日の有給休暇だけでなく、時間有給(1時間ごとの有給休暇)もあるので、早めに仕事が終わった場合や、家族の体調不良のときにも利用してます。もともと家庭や育児の時間も大切にしたいと思っていたので、職場でも配慮していただき、ありがたく思っています。

ある日のスケジュール

8:30 朝礼

9:00 外来診療、胃カメラ

12:30 昼食休憩

13:30 訪問診療(往診)

16:00 訪問診療(往診)終了、残務や書類整理

17:30 帰宅

これまでの経験が
活かせる
地域医療の魅力
理事長職・所長職

金城 明

Kaneshiro Akira

PROFILE
1974年京都府立医大卒業。
外科医で、京都民医連の各院所で研修および勤務。その間、外部研修3年。
1996年こびらい生協診療所の開設に伴い、所長に着任。
現在、しが健康医療生協理事長で、こびらい生協診療所所長を兼任。
今と研修制度は全然異なるが、私は消化器外科医になるつもりで研修を開始した。ところが、京都民医連で新たに呼吸器外科医の養成の話があり、周囲からの勧めで、卒後6年目で呼吸器外科研修に出向した。そして帰任後、京都民医連の呼吸器外科に従事した。

出向研修の期間中、ある診療所の夜診の要請があり、忙しかったが断り切れずに引き受けた。さらに昼の診療も1回引き受け、私にとっての地域医療が始まった。外来診療だけだが、地域の患者さんと接点が増えた。大変な生活ぶりもわかり、何より患者さんの私への信頼が感じられた。私は期せずして地域医療の味を覚えた。

そんな折、滋賀に新しい診療所を作りたいが、所長をしてほしいと打診があった。当時、京都民医連の内科からは派遣が不可能とされていた。外科も人材的に余裕はなく、この話は猛反対を受けた。私自身、外科を断念するには、自分はまだ47歳で若すぎると感じて、かなり悩んだ。でも、地域医療の魅力もあり、悩んだ末に決断した。

周囲の意向もあったが、自分が興味関心を持つことに関して、医師のライフスタイルを考えて地域医療を選んだことは良かったと感じている。求められることも真剣に考え、そこに自分の気持ちを重ねることが必要だと思う。

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